『怪物』は数行のあらすじもネタバレになる

『怪物』観てきました。これから見る人は事前情報をできるだけ遮断したほうがいいでしょう。数行のあらすじもネタバレになります。なので以下の文章はこれから映画を見る人は読まないほうがいいです。私は脚本が坂元裕二で監督が是枝だということ以外は知らないで見たのですごく楽しめました。

 

以下は映画の公式ホームページに載っているあらすじです。

『大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。』

主演は安藤サクラ永山瑛太なので、息子を愛するシングルマザーは安藤サクラ、生徒思いの学校教師は永山瑛太を指すことは当然推測できるけど、瑛太が生徒思いの人物だと知らないで見たほうがより楽しめる。安藤サクラ視点で映画が始まり、瑛太はサイコな暴力教師に見えるけど、次の瑛太視点だと、「え?まともないい奴じゃん」となり、こいつ最低と思っていた認識が反転して、「ごめんね瑛太、そんな風に思って」みたいな心の動きがある。脚本の狙いもこの辺にあるのでしょう。

前半で不気味な効果音と思っていたものが、実は生徒が必死にトロンボーンで音を出そうとしていたときの音だとわかるのも象徴的なシーンですね。一見、自分には理解できないから怪物のようだと思っている人たちも、真実を知れば同じ人間だと許容できるケースも現実にはたくさんあるのでしょう。自分の考え方を反省する契機にもなる映画だと思いました。

日常生活ではほぼ目にしないけど、ちいかわで有名になったあるアイテムが出てきてちょっと笑ってしまった。是枝監督で坂元裕二脚本なので面白いことは見る前から100%保証されている映画です。すぐにもう一回見たくなる。昔は一人で映画館に行く場合は面白かったらそのまま続けて2回目を見たこともありました。今は席指定の入れ替え制なのでそんなことはできなくなりました。列を作って席取りをするプレッシャーからは解放されるので、単純に昔は良かったとはならないけど。

 


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