THE FOOLS 愚か者たちの歌

ジャックアンドベティで『THE FOOLS 愚か者たちの歌』を観る。この映画はクドカンポッドキャストでやってる『大渋滞』という映画評番組で2021年のベストスリーの1本に挙げており、有頂天のケラも「面白くて何回も繰り返して観た。」と言っている。なので前からぜひ見たいと思っていたら我らがジャックアンドベティで上映ということで観てきました。

映画は80年代に結成されたTHE FOOLSというバンドのドキュメンタリーで、ボーカルの伊藤耕は麻薬取締法違反で刑務所を出たり入ったりしながら活動していた。今の時代、すごくないですか?活動の基盤をライブにおいていて、テレビなどへの露出がほとんどないからできたのでしょう。伊藤は2017年に月形刑務所内で病死。出所を40日後に控えていたそうです。このときに適切な対応を怠ったということで遺族が国に対し損害賠償訴訟を起こし、今年にはいってから国が賠償金を支払うということで和解が成立しました。

ギターの川田良も2014年に亡くなっています。かれのギターもすごいですね。ちまちま教則本を観ながら練習しているのが馬鹿らしくなってきたりします。川田の後釜に大島一威というギタリストが加入しますが、彼もなんと同年2014年に死亡。1980年代にこのバンドで弾いていた青木真一も同じく2014年に亡くなっているみたいです。2014年にTHE FOOLSとかかわりのあった3名のギタリストが亡くなっているんですな。

死んだ人のことばっか書いたので暗い映画という印象を持つ人もいるかもしれませんが、映画自体はエネルギーに満ちた見ごたえのある映画です。自由に生きた彼らの鎮魂歌という意味では鑑賞後の印象は暗くないです。今後、こういったバンドは現れないでしょうね。うかうかしていると人は鶏舎のニワトリのようにしか生きられなくなるよ。

 


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