久々に見る価値のあるドラマか?

映画は作家性が高く、選んで見に行ったものはかなりの確率で面白いことが多い。それに対して連ドラは作家性が低いと思います。いろいろ気にしないといけないことが多いんだろうけど、一本芯が通っていない。仕事だからって惰性で作ってんでしょと言いたくなるような作品も多いです。本当に見る価値があんのは年に2~3本くらいでしょうか。NHK BSプレミアムの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』はそうした作品のひとつです。面白さを説明するのは非常に難しい。「つまらない」と「面白い」の差はとても微妙です。私にはその微妙さを表現するスキルがないので、説明しようとしても大切なものが抜け落ちてしまいます。抽象的に言うなら、登場人物がドラマのために作られた人物ではなく、愛すべきキャラクタとしてリアリティを持って感じられるということでしょうか。

全10話なのでこれから3か月はこのドラマを楽しみに日々を過ごせます。1話目がすごく面白ければ、途中でつまらなくなるなんてことはまずありません。逆に最初つまらなかったけど、回を重ねると面白くなるドラマもほぼないです。ドラマを見続けて気づいた私の見解です。例外がゼロとはいいませんけど。

 

----読書記録----

藤野千夜団地のふたり』(2022):つまらなくはないがもう一声ってかんじ。

玄月『ほんまに・・・・・・どないなっとんねん』(2003)

玄月『寂夜』(2003)

有吉佐和子『悪女について』(1983):変死した一人の女性について、彼女とかかわった27人の人へのインタビューで彼女の人物像を浮かび上がらせる。奥田英朗の『噂の女』と同じ構成。

島田雅彦『溺れる市民』(2006):6,7年前に読んだのを忘れてもう一回読んでしまった。

川上弘美【編】『感じて。息づかいを。』(2005):恋愛小説アンソロジー。もちろん、普通の恋愛小説は1つもありません。野坂昭如が一番印象に残った。

朝倉かすみ『タイム屋文庫』(2008):朝倉かすみは割と好きな作家だけど、この本はいい話系でいまいち。

野坂昭如『少女M』(2000):このまえ読んだアンソロジーに入っていた1篇が面白かったので、他のも読んでみた。11篇の短編集。昭和中期のエロティシズム。文体が独特で話も断片的なのでわかりにくいんだが、どうしてだか面白い。野坂はこの歳になって初めて読みました。

 


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